ノイズあるいは聲音in台湾

台湾ノイズ動画を紹介したつづきで、もうちょっと行ってみましょう。台湾では「聲音」という単語を使うのですが、これでノイズからサウンドまで、かなり幅広い意味で用いられます。直訳すると音や声も意味するらしく、かなり幅広い。そして、その聲音の芸術として、ノイズからメディアアート、パフォーマンスまで含む実験的な試みが進められています。

ので、以下紹介。

 

まずは代表格、リンチーウェイさんのから。リンさんは軍政解放以後の90年代に台湾にノイズを持ち込んだ一人で(もう一人、ワンフーレイという人がいます)、今はこういった作品をやっています。

 

 

はい。タイトルは「テープ・ミュージック」。今年はパリのポンピドゥーセンターで毎週末にパフォーマンスとワークショップをやったそうです。活躍中。内容はご覧のようにテープもしくは布に文字が書いてあり、葬儀などの儀式で用いる単語を抜いてきているようです。それを楽譜代わりに、ぐるぐる回して読み上げていく。テープは、布の意味もありますが、形態がミニマルのライヒがやっていたテープミュージックにも似ているという何重かの意味があるのでしょう。なかなかカオスなパフォーマンス。

 

で、リンさんの90年代の映像として、Z.S.L.O.(ゼロ・サウンド・リベレーション・オーガニゼーション)があります。これはノイズプロジェクトで、もちろんノイジーですが、インダストリアルというか工業・技術などに焦点を当てたノイズからジャンク、バイオアートなどへの関心が伺えます。映像はほとんどありませんが、最初見たときたいそう驚き興奮してしまったこちらの断片をどうぞ。

 

 

このリンさんのもとで、パンクバンドをやっていたのがディノ。今は、もう長いことノー・インプット・ミキシングボード(ミキサーのインとアウトをつないでフィードバックノイズを出させてしまう、改造楽器。90年代末に中村としまるさんがはじめて、今では世界中で知られています)での演奏をしています。台北ノイズ第1世代、あるいは1.5世代と言われる演奏をどうぞ。

 

 

ディノさんは、今はアジアのフェスに引っ張りだこで、映像はまだ少ないですが、どれも素晴らしいようです。

 

 

最後に、台北を離れて、台南にある聽說という場所をご紹介。ここではアリス・チャンとナイジェル・ブラウンの二人が運営していて、一軒まるまる使います。レジデンシーからイベントまで、内容もワークショップからレクチャー、コンサートまで。ノイズから器楽、パフォーマンスまで幅広いです。映像では、djスニフさんとかシェリルチャンも出てきますね。ではどうぞ。

 

 

ということで、幅広い活動があります。関心は続く。要注目です。